研究成果

『腸内での生理活性物質ポリアミン産生を介した免疫調節作用の基盤解明とその実用化』 2025年度食品免疫産業賞を受賞

 協同乳業株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:深松聖也)の研究チーム(研究代表:協同乳業研究所長 松本光晴)は、このたび日本食品免疫学会より「2025年度(令和7年度)食品免疫産業賞」を受賞いたしました。

 日本食品免疫学会より授与される「食品免疫産業賞」は、食品免疫学の応用研究において優れた成果を挙げ、人々の健康増進に役立つ食品を開発・普及させるなど、産業上の応用への貢献が期待される企業の研究者、研究チームに授与される賞です。

 当社研究チームは、ビフィズス菌LKM512 (Bifidobacterium animalis subsp. lactis LKM512菌株) およびこのビフィズス菌とアルギニンの併用摂取による腸管内でのポリアミン*産生を介する抗アレルギー効果や寿命延伸効果を明らかにし、この知見を機能性ヨーグルトへと応用展開しました。これらの成果は食品の免疫調節作用の基盤を解明し、実用化へと結びつけた功績として食品免疫産業賞にふさわしいと評価されました。

【研究代表者コメント】
 長年にわたる研究がこのように評価され、大変光栄に存じます。特に約20年前の研究開始当時は、世界的に前例のなかった腸内細菌由来ポリアミンの宿主生体に与える作用の研究が、"免疫"の視点から評価されたことを嬉しく思います。
 現在注力している動脈硬化予防に有効なヨーグルトにおいても、そのメカニズムの一つである炎症抑制は、今回表彰いただいた免疫調整作用と深く関わっています。今後も腸内細菌由来ポリアミンの研究を通じて、人々の健康と豊かな生活に貢献してまいります。(協同乳業研究所長 松本光晴)

 当社は、これからも「健康で豊かな食文化の創造」をキーワードに、科学的根拠に基づいた商品の開発を推進し、皆さまの健やかな暮らしに寄与してまいります。

 受賞研究の詳細は下記をご覧ください。
 ●食品免疫産業賞
 https://www.jafi.jp/about/award/gt_winning_2025/

*ポリアミン: DNA、RNA、タンパク質の合成および安定化や細胞の増殖および分化に関与している生理活性物質であり、全ての生物の細胞に普遍的に存在する。抗炎症作用、抗変異原作用、オートファジーの誘導、腸管バリア機能の維持・促進などの作用が報告されている。加齢に伴い生体内濃度が減少することが知られており、これを補充することで健康寿命が伸ばす研究が日本とヨーロッパで行われている。

【お問い合わせ先】
協同乳業株式会社  お客様相談室 0120-369817(ミルクハ イーナ)受付時間/9:00~17:00